以前国語の教科書に掲載されていたようで、
知人が、お子さんの音読の宿題で聞いて涙した、と評されていたので
読んでみました。
「ぼく」の郵便箱にある日居候始めたかえる。
「ぼく」は自分宛の手紙を取り込んでいるカエルに文句を言いますが、
カエルが手紙をもらいたいと思っていることを知り、
助言するのですが・・・。
ちょっとした勘違いで、「ぼく」もカエルも、願いがかなわずじまい。
ちょっぴり切ない余韻が残ります。
登場するハガキが、昔仕様の20円切手、5桁の郵便番号。
タイムスリップしたような気分です。
舞台である郵便箱が、イチジクの木にあり、
今住んでいる土地はイチジクが特産で身近なだけに、親近感がわきました。
緑色のイチジクの葉っぱに、緑色のカエル、その単色の色彩が鮮やかです。
村上さんの描く個性的な絵が、物語にぴったりですね。