いせひでこさんの、素敵な色彩の表紙絵に惹かれました。
青と白が溶け合うような、そんな物語でした。
春の湖で、一斉に白鳥が飛び立ちますが、
そのわきの池に、傷ついた白鳥が一羽、残されているのですね。
その池が主人公。
無力な池はただ見守ることしかできず、面はゆいのですが、
何だかよくあるシチュエーションで共感してしまいます。
そして、傷の癒えた白鳥が飛び立った時、奇跡が起きるのです!
水面と空が溶け合い、しぶきと白鳥が呼応します。
とても幻想的な光景です。
小学校高学年くらいから大人まで、そっと感じ取ってほしいです。