ヨーロッパの、特にスペインには、若い男が力の強い魔法使いの娘を好きになり、娘も人間の男を好きになって駆け落ちをしようとしますが、魔法使いが許さず、何度も追ってきて、娘と人間の男に魔法をかけたり、無理難題を言いつけたりする昔話が残っています。
だから、最初この絵本を見たときは、そのお話の現代版か、
アントニア・バーバー風に作り変えたものかと思ったのですが、
違ったようです。
訳者の後書きを読むと、アンとニア・バーバーはベトナムから養女を迎え、彼女のためにこの話を書いたということでした。
だから、「魔法使いの娘」の顔は東洋風なのですね。
エロール・ル・カインの絵は、1ページ1ページ絵画展をのぞいているような素晴らしい絵でしたし、物語の雰囲気がすごく出ていて、見ごたえがありました。
しいていうと、「娘」がいってしまった後の魔法使いがどうなったのか、知りたいです。