有名なアンデルセンのお話ですが、
改めて読んでみると、その奥深さに驚かされます。
男の子の誕生日プレゼントとして誕生したスズの兵隊は、
仲間の兵隊達とは違って、材料不足で足が一本しかないのです。
でも、軍服の自分に誇りを持ち、その後の不運な運命の中でも
凛とした生き方を貫きます。
彼が恋した踊り子の存在も切ないです。
最後まで一片の感情も記されていません。
彼女もまた、その容姿とは裏腹に、幸せな日々ではなかったのかもしれませんね。
だからこそ、見間違えとはいえ、スズの兵隊に共感されたのかもしれませんね。
ブラウンの絵も余計なものが無く、素朴で、
お話の世界にそっと寄り添っているようです。