私自身が酒井駒子さんのファンです。「よるくま」もそうですが、読んでいるうちに泣いてしまいます。子供の、あまりにももろい感情、人やものを純粋に信じる気持ちを、酒井さんはどうしてこんなに絵や文章にできるのだろうと思ってしまいます。
後半の独特の空間の広がりは、大人側から考えると、ちょっと子供には難しいと感じるかもしれません。でも、それは大人側の勝手な解釈に過ぎないと思います。子供はそれぞれ、その子なりの解釈をするようです。私は、おかあさんが子供に「ベッドにもどっておいで」というシーンが好きなので、しばらくだまってそのページを開いていると、うちの子は決まって「見て、天使だよ」とささやきます。
冒頭の「悪い子にはサンタさんこないのかな?」というところ、うちの子は必ず「来るよ!」と言います。私がこの本を大好きなのを知っているので、クリスマスもとうに過ぎたのに、お母さんが大好きだからと、夜寝る前の絵本の1冊に持ってきてくれます。
読み終えるたび、ひしひしと子供への愛情をかみしめる1冊です。