カン蛙、ブン蛙、ベン蛙という名前の、三匹の蛙のお話です。
三匹は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれも負けず劣らず生意気でいたづらもの。
顔も見分けがつかないほどよく似ており、いつも一緒だったのです。
三匹は、人間が履いているゴム靴に憧れていました。
…どうやら、好きなものも同じのようですね。
そして、カン蛙が素敵なゴム靴を手に入れた事で、物語はあらぬ方へ展開していきます。
最初は可愛らしいなぁ〜と微笑ましく読んでいましたが、 幸せのゴム靴がこんな災難を招くとは…
蛙にとってゴム靴は、とても価値のあるもの。
でも憧れは手に入れないほうがいいのかも…と、心の底からそう思いました。
「奪うのではなく、壊してしまう」
そこが怖いなぁと思いました。
カン蛙の自慢のゴム靴は、もうボロボロ…
「一人だけいい思いをするなんて、許せない」
ブン蛙、ベン蛙の執着心が、本当に怖かったです。
でも最後は全員仲良く痛い目…いや痛すぎる目にあって、改心したようで本当によかったです。
松成さんのみずみずしいさわやかな絵が、お話の印象をまろやかにしてくれていて、とても読みやすい一冊でした。