「ぼくは王さま」といえば、
おそらく誰もが聞いたことのある有名なシリーズです。
そのタイトルを聞いただけで、
「ああ、あの王さまね!」と、
ひげに黄色い冠の王さまの姿が、思い浮かぶのではないでしょうか。
わたしと王さまが出会った場所は、
記憶によると 小学校の図書室でした。
低学年だったその当時から とても人気のあるシリーズで
常に誰かが借りていたように思います。
そうそう、それで、
タイトルは聞いたことがあれど、なかなか現物を見ることが出来ず
実際に手に取ることが出来たのは
中学年になってからだったような・・・。
わがままで、自由で、家来たちも手をやいてしまうのだけれども
どこか憎めない王さま。
「わし」ではなく、「ぼく」・・・。
「おうじさま」ではなく、「王さま」・・・。
本当に大人なのか?
もしかすると、子どもなのか?
いや、でも、ひげがあるな・・・
と、王さまの魅力に いつの間にか引き込まれていたことを思い出します。
大人になったいま、改めて読んでみると
この「王さまシリーズ」の、ひょうひょうとした、
それでいて温かい空気が そっと心に寄り添ってくれるのを感じます。
絵本って、小さな子だけのものではないよ、
と言ってくれているようで、なんだかほっとします。
この、「王さまめいたんてい」は はじめて読みましたが
どうしてか懐かしく、
ずっと昔に出会った物語のように感じました。
あたまが良いと思われたいがために、
大変な事件が起きた!と触れ回り 名探偵になろうとする王さま・・・。
でも、誰かが傷つくやり方ではなくて
自分の大事なお人形を誘拐(?)しちゃうあたりが、憎めません。
表紙の王さまの表情が、「してやったり!」と自信に満ち溢れていて
これまた憎めないのです。
まるで、昔からの友人のような気がしてしまう、「王さま」。
きっと、私だけではなく 沢山のひとの「友だち」なのだと思います。
これからも、何十年たっても
学校の図書室や本屋さんに
自信満々の表情で並んでいて欲しい存在です。