孤高の独裁者というのでしょうか、愚かな独善者というのでしょうか、想定外のエンディングで目にした、動物たちから恐れられていたサイの意外な本性に、なんだか憐れみさえ感じてしまいました。
主人公のドラサイにとって2本のツノはなんだったのでしょうか?
鎧のような皮はなんだったのでしょうか?
そんなもののために、サイは攻撃的であり気性も荒くなったのではないかと感じました。
動物たちが去った後、相手がいない世界で、サイは支配者であるための条件として自らが銅像となることを目指します。
身動きのできない状態、自らが銅像を倒してしまうかもしれないという状況に、サイは本当の自分を見つけます。
愚かであるいうのは簡単ですが、エンデの寓話はかなり複雑です。
シュトゥーアマンの絵が、難解に陥りそうな物語をユーモアで包んでいます。