バーナデット・ワッツが描くグリム童話を見てきてぬぐいきれなかった違和感が、この絵本で解消されました。
バーナデット・ワッツは善意、繊細、温厚、ぬくもりのある人なのです。
グリムの毒気ある童話では表に出なかったワッツさんのやさしさが、文章も自分が手掛けたこの作品では読む人間をとてもまろやかな気持ちにさせてくれました。
雨の日も風の日も郵便配達をしているハネスうさぎ。
下心も悪意のひとかけらもない、善意のうさぎなのです。
動物たちは感謝の気持ちをもって、みんなで傘を作ってプレゼントしました。
花や草で作ったかさ。
なんてすばらしい贈り物でしょう。
ワッツさんの持ち味が充分に出された絵本です。