きっとみずのそば。

ママ・40代・三重県、男の子15歳 男の子12歳

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きっとみずのそば。さんの声

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なかなかよいと思う あったかいきもち   投稿日:2016/11/30
としょかんライオン
としょかんライオン 作: ミシェル・ヌードセン
絵: ケビン・ホークス
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
図書館という実在の施設と、ライオンというこれまた実在の動物が組み合わさることで、ここまで一気に空想の世界と入り込んでしまうのかという絶妙な組み合わせは、作者のなせる業ともいえるでしょう。読み手自身も、自然とその図書館に引き込まれる感覚になります。
また大きな本に描かれいる絵は、図書館やそこに集まる人々の雰囲気、ライオンがきたことで次第に変わっていく人々の表情を一瞬で知るのに不可欠です。絵と文、どちらが欠けてもこのお話は成り立たないと言えるほど、両者がぴったり合っています。

次男はライオンの仕草を楽しんでいる様子で、絵本好きの長男もまたライオンのいる図書館にわくわくしてお話を聞いていたようです。読み手の年齢、立場によりいく通りものメッセージが受け取れる、素晴らしい絵本だと思います。

図書館には、子どもができてからよく行くようになりました。静かで落ち着く雰囲気、なのかもしれませんが、わたしには正直どこか冷たさを感じるその雰囲気が好きではありませんでした。特に、じっとできない元気いっぱいの子どもを連れての図書館通いは、周囲の環境に反するため余計に気を遣いました。でも、子どもにはいろんな絵本をたくさん読んであげたいしと、葛藤する日々。

この絵本に出てくる図書館も、そういった雰囲気が少なからずあります。
立派な門とたくさんの緑にかこまれた古めかしい外見の図書館。中に入ると、暖かい日差しが入り込む絵本コーナーにおはなしの時間。館長のメリーウェザーさんや司書のマクビーさんは、規律をしっかり守る真面目そうな図書館員さん。そして静かに本を楽しむ街の人々。
そこにある日、いっぴきのライオンがやってきて、ちょっとずつ何かが変わっていきます。

最終にかけて二人の図書館員の、心の奥深くの温かいところが垣間見られた場面に、親の私は一番ぐっときました。きっとライオンが、彼らの温かい優しさを引き出してくれたのでしょう。そして、地域の図書館の方たちも、実は温かい人たちなのかもという自身の持つ図書館のイメージを考え直すきっかけにもなりました。
それとまた、昨今大きな災害が続く世の中で、辛い、悲しい気持ちが先に来てしまっていましたが、こういう時こそ心の奥の温かい優しさを見せられる、そんな人間でありたいとも思うようになりました。きっとライオンが、私の心の奥深くの優しさをつついてくれたのかもしれません。
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