可愛らしいようだけど、なんだか不思議な風貌をした子がこちらを見て微笑んでいます。手にはまるくて美味しそうな果物を持っているみたいだけど……そこは、どこ? ちょっとだけ不安な気持ちになりつつ、絵本をめくってみます。
ゴンゴン星に住むスモンスモン。
朝になると、オンオンとロンロンをヨンヨンでつるし、
トントンで川をくだります。
ポンポンのそばではヨンヨンがのび、ロンロンがたくさん実っています。
スモンスモンはトントンにロンロンをつみこんで歩いていくと、
ストンストンを運ぶクロンクロンたちに出会い。
……え、なになに。
なにを言っているの?
ロンロンってなに、ポンポンってどれ?
ストンストンとクロンクロンって、いったいなんなの!?
いきなり頭が混乱してしまったあなた。
大丈夫です、私も同じ状態です。
特に、みっしりずっしりのストンストンが登場した時には、もう。
ところが、気を取り直してもう一度スモンスモンの世界に入ってみると。
奇妙な姿の彼らが愛らしくてたまらなくなり。
その素朴で優しい行動一つ一つに魅了され。
何度でも声を出して読むうちに、どんどんゴンゴン星のことがわかってきた気になって。
「あ、ゾンゾンにはきをつけて!」
……すっかり虜です。
さあ、あなたものぞきたくなったに違いない「スモンスモンの世界」。
大人も子どもも関係ありません。どっぶり浸かってみてくださいね。
ドイツからやってきた、異彩を放つ注目絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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