冬の間、たくさんの星が輝くきれいな夢を見ていたもぐらくん。花のいい香りに鼻をくすぐられて目をさますと、外は春でした!
森の仲間はみんな、春のおおそうじ中。うさぎくんを家に招待することになったもぐらくんも家に帰ってそうじをはじめました。部屋はきれいになったけど、この小さい入り口じゃあうさぎくんが入ってこられません。
もう少し入り口を広げようと天井をほりはじめたら・・・大きな石がドッスーン!と落ちてきて、割れたところに美しいみどりの石が輝いていたのです。
「このいしが、そらでかがやいたら、きっといちばんきれいなほしになるだろうなあ。」
友達や小鳥たちの助けをかりて、もぐらくんはみどりの石を空へもっていこうとするのですが・・・。
夜、なかなかうまく空へ運べないみどりの石を抱いて泣いていたもぐらくんのそばに、すうっとおりてきて、運ぶのを助けてくれたのは誰だったでしょう?
チェコの国民的キャラクター、心やさしき「もぐらくん」のおとぎ話のようなお話。
クレヨンやチョークのような太い線で描かれたイラストは、テレビアニメのはっきりした線とはまた違った雰囲気で、夜の森を味わい深く描き出しています。ほっとしたい夜、心あたたまる物語絵本をぜひどうぞ。見返しのデザインも素敵ですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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