「これぼくのあかいじどうしゃ。タータンはのっちゃだめ!」
妹のタータンにいじわるして、突き飛ばしちゃったノンタン。でも、ころんで泣いている姿にちょっと責任を感じたみたいです。
「いたいの いたいの
タータンの
いたいの
あっちのおやまへ
とんでけ〜☆!」
魔法のことばで「いたいの」を飛ばしてあげます。
ところがところが。突然「いたいの」が「ぺちゃっ」とくっついた山や海が怒って、タータンを食べようとしたから大あわて。あっちこっちに「いたいの」を飛ばすドタバタぶりはノンタンの真骨頂です。山や海が怒ったところはちょっと大きな声を出したり、どきどきするシーンは小さな声でじっくりためたり、メリハリをつけて読んであげてくださいね。登場人物たちの豊かな表情も手伝って、子どもたちもハラハラドキドキ、あっという間に物語にひきこまれてしまいます。
そしてもうひとつ。ときどきいじわるもしちゃうけど、やっぱりタータンがとっても大事。そんなノンタンのお兄さんぶりも魅力です。子どもらしい乱暴さや短気さまでリアルに描かれているので、もうすぐ弟妹がうまれるお子さんはもちろんですが、第二子をむかえる予定のお母さんお父さんにとっても、いい予習になりそうですよ。
(三木文 絵本ナビライター)
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