みなさんのおうちのおむすびは、どんな形ですか?
我が家はもっぱら三角ですが、息子は丸い方がおいしいと言います。
同じ具でも、形を変えるだけで味まで違うような気がするなんて、おむすびって不思議です。
でも、どんな見た目をしていても、おむすびはおむすび。おいしいです。
しかし、それでは納得しないのが「さんかくおむすび」の国と「まんまるおむすび」の国。
「まんまるおむすびは、だらしない」
「さんかくおむすびは、へなちょこ」
お互いにけなし合い、いがみ合っていました。
ところで、この2つの国の間には大きな畑がありました。
その畑では、さんかくとまんまるが協力し合っておむすびの具を育てていました。
しかしあるとき、「しおけのおおいさんかくのわかもの」が占領してしまうのです!
とうとう「いくさ」になってしまった両国の争い。
果たして決着はつくのでしょうか…?
作者は、児童文学作家の森くま堂さん。絵本作品は本作が初です。
「争うことの愚かさ」を伝えると同時に、「再び自由にのびのびと暮らせますように」との祈りが込められています。
絵を担当されたひろかわさえこさんは、これまでにも『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』や『あめぽったん』など、かわいくて、ほっこり優しい気持ちになる絵本をたくさん出版されています。
おむすびたちが生き生きと個性的に描かれていて、どのページもついつい見入ってしまいます。
特におむすびの具の畑は、興奮すること間違いなしです。
たらこって、バナナみたいにできるんだ…!
いくらはまるで、ぶどうのよう! と、驚きの連続。ずっと見ていても飽きません。
描かれていない具のことも、どんな風に実るのか想像してみるのもおもしろそうです。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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