夜です。
さわさわ ぎいぎい ばさばさばさばさ
ほーほーざわざわざわ にゃあーおん
やけに時計の音がして眠れません。
こち こち こち こち こち こち
そんな時にかぎって、トイレに行きたくなるものです。
すうちゃんは、だから夜がきらいです。
だって、こわくてひとりじゃトイレに行けないから。
パパもママも起きてくれません。
その時、暗闇からむくり!なんと自分の毛布がバクになって、
一緒にトイレについて行ってくれるというのです。
トイレへ続く夜のろうかは、
なんだか真っ暗で昼間と違ってすごく長く感じます。
ここから先は、すうちゃんとバクの驚きの大冒険が幕開けします。
宝石泥棒や大きな蜘蛛、そしてオバケ?まで登場して
すうちゃんは、無事にトイレにたどりつけるのでしょうか。
阿部健太郎さんと吉岡紗希さんの絵本作家ユニット「ザ・キャビンカンパニー」が生み出す絵本は、まるでおもちゃ箱のように楽しいものがギュウッとつまっています。全編まっくろの夜の世界を彩るのは、カラフルな登場人物。豊かな色彩が、夜をより一層黒く、美しく引き立てます。最後に登場する輝く三日月の美しさと光るトイレのまばゆさに目が奪われます。
読んだら、きっと夜のおトイレもこわくない!
素敵な絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
続きを読む