へんたこさんは、たこです。
たこですが、がんばって本物の船長さんになりました。
へんたこせんちょうは、へんたこ丸の舵をとり、へんたこおくさんとへんたこぼうやと一緒に大海原をすすみます。
今日のへんたこせんちょうの仕事は、つりのお客の案内です。
ところがこのお客さんときたらわがままで、言いたい放題。
へんたこせんちょうの言うことを聞かずに、好きな方へ船を進めたがるし、魚がつれなければ文句を言うし。
たったひとつつれたのは小さなくらげ一匹。
くらげに向かってお客は悪口を言い、へんたこせんちょうも無理やり同じように悪口を言わされます。
それを聞いて怒ったくらげは……?
いとうひろしさんが描く、『へんたこさんせんちょうになる』のシリーズ第2弾。
巨大なくらげのおうさまはインパクトたっぷりです。
へんたこさんみたいに、怒ったくらげに取り囲まれるなんて……ちょっと想像したくありません。
のんびりした空気のなかに、目に見えないものを想像させ、不思議な体験をさせてくれるいとうひろしさんの絵本世界。
「ちいさいはおおきい。おおきいはちいさい。つよいはよわい。よわいはつよい」
くらげたちの歌声が耳に残ります。
海のことをよく知るへんたこさんでも知らなかったことが、広い海には隠れているんですね。
へんたこ一家のへんたこ丸、これからどこへ進むのか。
行く手には何が待っているのでしょうか。
続編もまた楽しみな一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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