緑の葉っぱが生い茂り、美しく可憐な花が咲き乱れる、夢のような景色。なんて美しい……うっとり眺めていると、絵本の方から問いかけてきます。
「さて、それはいったい なあに?」
そう、これは絵の中からなぞなぞの答えを見つけ出しながら遊べる「なぞなぞ絵本」シリーズの第4弾なのです。ただよう香りであっという間に見つかっちゃう春の花や、帆をはためかせながら海を進んでいく夏の景色、まんまるしっぽが可愛い誰かさんが活躍する秋、冷たいのに中に入ると暖かいものがつくれる冬の庭など、春夏秋冬、季節ごとにさまざまな魅力ある表情を見せてくれる庭の絵の中に、可愛らしいなぞなぞの答えがたっぷり50問!隠れているのです。
シリーズを通してなぞなぞを出してくれているのは石津ちひろさん。詩のような、歌のような、軽やかな言葉のリズムで楽しい問題がたくさん登場します。面白いのは、絵を担当されている画家さんが1冊1冊全て違う方だといういこと。当然雰囲気もなぞなぞの内容も全く変わってきます。中上あゆみさんの絵は、細い線で緻密に丁寧に木々や草花が描かれており、その繊細さに思わずページをめくる手が止まってしまうほど惹きこまれてしまいます。よく見ると、隙間から小さな可愛らしい子どもたちや動物が顔を出しているのも愛嬌たっぷりですよね。
それぞれの季節の気持ちの良い風や、ひんやりした空気を感じながら、子どもたちは新鮮な気持ちで夢中になり、大人はどこか懐かしさを感じながら絵本の世界にゆっくりと浸り味わうのかもしれません。絵の中に隠し絵もあるそうですよ、親子で時間をかけて楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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