ひいばあちゃんとは、仲良しとはいえなかったわたし。
家族で遊んでいても、ひいばあちゃんは見ているだけだし、
休むためにすぐ部屋に入ってしまうから。
でもある日、部屋からころころと何かが転がってきました。
それは、小さなビー玉でした。
拾ったわたしは、そっとひいばあちゃんの部屋へ。
そのビー玉をきっかけに、わたしはひいばあちゃんと
かけがえない時間を過ごしたのです。
ひいばあちゃんのひみつって? たからものって?
それは、わたしと、この絵本を読んだあなただけの秘密!
花山かずみさんによる、この繊細であたたかな物語はしっとり心に響きます。
まるで映像をみているような緻密なイラストも魅力。ひいばあちゃんの
部屋で、懐かしいものをみつけるのも楽しいですよ。
年が離れていて互いを遠く感じていたひいばあちゃんとひ孫が、
ビー玉を通じて心を通わせるってドラマチック。
ひいばあちゃんは幼い頃の思い出に生き、それが
ひ孫である「わたし」と重なったという静かな奇跡。
これこそ、家族の歴史が受け継がれる瞬間ですね。
わたしも幼い頃、祖母の家に行くたびに、置き物などに
こめられた物語を聞きたがっていたものでした。
この本をきっかけにお子さんたちも、ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃん
おじいちゃん・おばあちゃん、親戚とのふれあいの時間を
さらに深められたらすてきですね。
(長安さほ 編集者・ライター)
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