3歳のかんたろうは、ある日、「ぼく、ママとけっこんする!」と言います。
驚いたママですが、「パパ もう かえって こないんでしょ? だったら ぼくが ママと けっこんする」という言葉に胸を打たれて、
家でかんたろうと結婚式を挙げることにしました。
昔使ったウェディングドレスを着て、おばあちゃんにビデオを撮ってもらい、結婚式を挙げる、ママとかんたろう。
終わった後、ママはかんたろうに「きょうの けっこんしきの こと しんでも わすれない。」と感謝の気持ちを伝えます。
しかし、そんなママは、かんたろうが4歳になったとき、車にぶつかって、おばけになってしまうのです……。
様々なメディアで紹介され話題となった、「ママが おばけになっちゃった」シリーズ3冊目。
物語は、ママがまだ元気だったころから、おばけになって、かんたろうの前に現れたころ、そして、かんたろうが成長して、会社に入り、結婚式をあげるまでを描きます。
そのどの場面にも、かんたろうのそばにはいつも、おばけになったママがいたのです。
結婚式当日。盛大に盛り上がっていた会場が暗くなり、3歳のかんたろうがママと挙げた、結婚式のビデオが流れます。
生前のママがかんたろうに伝えたかったこととは……?
そして、ママの言葉を聞いたかんたろうは……?
過去に発せられた言葉が、今の主人公に改めて語り掛けている、まるで映画のような手法が使われている本作。
シリーズを通して描かれてきた、かんたろうとママの別れと再会が1冊に凝縮されている作品です。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
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