毎月読みたい、季節にぴったりの童話たち──シリーズ「おはなし12か月」
現代を代表する一流童話作家の書きおろし。
物語の楽しさを味わいながら、日本の豊かな季節感にふれることができます。
上質なイラストもたっぷり。低学年から、ひとりで読めます。
巻末の「まめちしき」で、行事の背景についての知識が高まります。
講談社児童文学新人賞受賞作家による幼年童話。
「けんかしていても、友だちなの?」
「友だちだから、けんかをするんだろ? きらいだったら友だちにならないよ。れいなは、ひなこがきらいなのかよ。」
――<本文より>
お友だちと絶交中でちょっと不機嫌な小学二年のれいなちゃんは近くに住む三年のゆうだいくんと高校生のお姉さんのみさちゃんからクリスマス用のジンジャークッキーづくりに誘われます。みさちゃんにクッキーのつくりかたをおそわりながら、こねた生地から女の子の形を抜いていると、クッキーの女の子と、抜けた生地の女の子の形の穴がしゃべりだし、けんかを始めます。実はゆうだいくんも親友のたくまくんとけんかをしていて、ゆうだいくんがクッキーの男の子を抜いていると、やはりクッキー達がけんかをしだしました。今も昔も永遠にかわらない、女の子同士、男の子同士のけんかの理由とそれぞれの仲直りをしたくなる気持ちをユーモアあふれるストーリーで描きます。
巻末には世界中のクリスマススイーツの紹介やジンジャークッキーのレシピもついて、家族やお友だちみんなで楽しめる一冊です。
すべての見開きに山田詩子氏のかわいい挿絵入り。
続きを読む