月あかりのムーミン谷は、秋めいてしずか。ムーミン屋敷もおやすみの時間です。
ところが、真夜中に屋敷の玄関の階段をしのび足でのぼっていく、あやしい影が……。いったい誰!?
はじめに異変に気づいたのは、ちびのミイでした。鼻をふくらませてクンクン、あやしいにおいをかぎあてて偵察を開始します。
同じ頃、ムーミントロールは台所でまっさおになってしっぽをプルプル……。
ミイは、こわがるムーミンを残して階段をのぼっていきます。
「うーん、たまらないわね! こぉーんなにワクワクしたこと、あったかしら!?」
さてムーミン屋敷の家具をこわし、ぞっとするようなにおいをふりまいた黒い影の正体は?
じつはムーミンパパのひみつと関係があったのですが……!?
トーベ・ヤンソン自ら制作した唯一の写真絵本。そして最後の絵本です。
キャラクターの人形はもちろん、ムーミン屋敷やその家具まで、トーベとその友人トゥーリッキたちがともに手ずから、このミニチュアの品々を作り上げたそう!
物置や食料部屋の貯蔵品、台所の棚や敷布、サロンのシャンデリア、壁紙もリアルで可愛くてワクワクしちゃいます。
撮影したのはトーベ・ヤンソンの弟、ペル・ウーロフ・ヤンソン。
濃い光の陰影のなかに浮かび上がった人形たちは、いのちをふきこまれた独特の空気を醸し出し、とてもチャーミングです。
秋の夜のムーミン屋敷に、スノークのおじょうさん、スナフキン、ティーティ・ウー、ミーサ、スクルッタおじさん、ホムサたちが集合していますよ。
ながらく翻訳出版が待ち望まれていためずらしい作品が、トーベ・ヤンソン生誕100年にあわせてついに日本でも出版されました。
ファンにはたまらない1冊を、この機会に手に入れてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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ある秋の夜。ムーミン屋敷にしのびこむ黒いかげ。事件のにおいをかぎつけたちびのミイとムーミントロールが、ムーミン屋敷を大探索。スクルッタおじさん、ミニ、クニット、スクルット、トフト、スナフキン、ティーティ・ウー、ミーサ、ホムサ、スノークのおじょうさん、トゥーティッキ、ママ、パパ……屋敷にいたみんなが台所に集まったとき、なにかが起こる……!
トーベ・ヤンソンが自ら手がけた数少ない絵本のひとつであり、唯一の写真絵本である作品の日本語版がついに刊行。トーベが友人であるトゥーリッキたちとともに、ムーミンら登場キャラクターの人形はもちろん、ムーミン屋敷やその家具まで手ずから3年がかりで作り上げたものを、弟であるペル・ウーロフが撮影したもの。そのムーミン屋敷のドールハウスは、フィンランド・タンペレにあるムーミン谷博物館で展示され、その精巧さに長年人気を博しています。トーベが制作した唯一の写真絵本という意味でも、彼女の生誕100年の記念イヤーである2014年を彩る一冊となるでしょう。
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