ある朝、ペンギンのピートは冒険に出ることにしました。
海の中を泳いでたどり着いた先は、入江の奥に漂着した無人船。
船の胴体も帆はボロボロ、デッキの上もロープや樽や木箱で溢れめちゃくちゃです。
すると、誰もいないと思っていた船の上で、音がします。現れたのは、この船に住むネズミのホレーショでした。
自己紹介を済ませ、まずホレーショがピートを案内したのは、船の中の食料貯蔵室でした。ピートは今まで見たことがないほどのご馳走を、お腹いっぱい食べました。
それから魚網で遊んだり、デッキでかくれんぼをしました。
救命ボートにホレーショを乗せ、ピートが泳いでボートを押す遊びを思いつきましたが・・・
マーカス・フィスターの大人気絵本『にじいろのさかな』25周年を記念して、「ペンギンピート」も新装版として生まれ変わりました!
『にじいろのさかな』と同じく、今作品も瑞々しいタッチの絵で、海を泳いでいるような気持ち良さを感じます。
主人公のペンギン、ピートのつぶらな瞳がなんともキュート。溢れる好奇心と、友達思いの優しい心を持っています。
得意なことは全く違うし、体の大きさも全然ちがうピートとホレーショ。
無人船で冒険をしながら友情を育む姿を通して、友達の大切さを学べる絵本です。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
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