さあ、出発の時間だ。
ビシリとひとつ、ママに敬礼!
トイレがロケットの操縦席だ!
いくぞ!おならスイッチ!オン!
ぷーーーーーーーーーー!
子どもはみんな空想のプロ!
布団をかぶってコックピット。
押入れの中は秘密基地。
お風呂にもぐれば海の底。
そして、トイレに入ればそこは、ロケット!
子どものすなおな空想をそのまま絵本にしたような、ほほえましくもエネルギーにあふれた一冊です。
本書は見開きの右ページが現実の場面、左のページがそのときの空想の光景、というかたちで、現実と空想とを左右に見比べながら読み進めていく構成になっています。
壮大な空想と、トイレでふんばっているという現実とのギャップが、かわいいともおかしいとも感じられて、思わずクスクス!
「宇宙にいくんだーーー!」
そう叫んでふんばる男の子と、すさまじいジェット噴射で宇宙に突き進むロケットの姿に、読みながらおなかに力が入ってしまいました。
いきおいのあるセリフとイラストで、まるでアトラクションのような楽しさに満ちた本作。
我が子に読み聞かせてみると、やはり、まちがいのない題材とそのアトラクション性のなせるわざか、なんども読んで読んでとせがまれました。
おなら? うんち? ああ、だいすきさ!
宇宙とトイレのシンフォニー!
子どものツボにど直球の絵本の誕生です。
さあ、トイレロケットで、宇宙へゴー!
(堀井拓馬 小説家)
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