寒い冬に、あついあついキスの絵本。そう聞くと、なんかちょっと照れくさい。
……だけどこれは、読めばやっぱり笑っちゃう。なんたって、(『オレ・ダレ』『オー・スッパ』が大人気!)越野民雄さんと高畠純さんのコンビによるキスの絵本だから。今回も愛嬌たっぷり、動物たちのお茶目な顔がたくさん登場しますよ。
鼻の先っぽでくんくんしてるのは、ワンちゃん。ほらほら、スキをねらって……「ワンキッス」!思わず「モーやめて」って言いたくなるのは大きなうしさん。その顔は怖いし、痛そうだし、いくら愛でも受け止め難いヒョウのキス。ながーい舌に、高すぎる首、大きすぎる口。これいったいどうやってキスするの?
軽やかで、思わずクスっとしてしまう越野さんの文章。画面ギリギリまで寄ってくる大迫力の動物たちの顔面、これはもちろん高畠さん。彼らのまっすぐな瞳に吹き出しそうになりながら、愛情が存分に伝わってきます。
キスって、あたたかくて、優しくて、嬉しい。この安心感や幸福感は忘れたくないし、なくしたくない。緊張してしまう今だから。絵本の世界では、力を抜いて楽しんでおきましょうね。
「みんな キス、スキ」
やっぱり、ちょっと恥ずかしい!?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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