「ぎゅっ」や「たかいたかい」などでお母さん達の心をほぐしまわっているこざるのジョジョくん。またまたやってくれます。
今度のキーワードは「やだ!」。このシリーズの人気の秘密は短い言葉一言で親子の愛情の深さを表現してしまうところでしょうね、誰もが共感できる甘い気持ちになって最後には顔がゆるんでしまっている自分に気付く・・・という感じでしょうか。この「やだ!」という言葉を聞くとやんちゃなお子様をお持ちの方はすぐぴん、ときちゃうかもしれません。そう、あの可愛い反抗期のやりとりなのです。
「おひるねのじかんよジョジョ」
「やだ」
やだ、と言った後のジョジョの顔。木陰で見守るママの顔。そしてぐっすりママのもとで眠るジョジョを取り巻く平和な時間。
同じくちょっぴりわがままな息子を持つ身としてはこういう光景が日常的だからかもしれませんが、個人的には3作の中で一番切なく共感できてしまいました。
もう一つのこのシリーズのポイントは、ママだけでなく必ず森の仲間が他者として関わってくれることです。今回はカメレオンとぞうが意地をはったジョジョくんにちょっかいを出します。予期せぬ出来事にジョジョくんの気持ちもほぐれていきます。(同時にママもね。)実生活でも祖父母や近所のおばさまなどの存在は思った以上に大切なんだということを改めて感じずにはいられません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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