学校の成績も良く、両親や兄弟と田舎で楽しく暮らしていた「わたし」。
そんなわたしが出会ったローラは、ひとりぼっちだった。
外に出たがらず、家から連れ出しても、町の騒音に怯えて、壁際で身を縮めてしまうローラ。
でも、ふたりで過ごす日々になぐさめられて、少しずつ、少しずつ、ローラは遠くまで出かけられるようになる。
そして、わたしたちは親友になった。
散歩に出かけ、お気に入りの店で食事をし、音楽を聴き、映画を観る。
わたしとローラは、なにをするときも、いつもいっしょ。
ローラの真実が、わたしたちふたりを出会わせたのだから――。
少女と犬の友情と、そのおだやかながら幸福な日常をつづる、あたたかな絵本。
言葉を交わすことのできない動物と人間との絆に、心あたためられる一冊! なのですが――。
ラストに明かされる、ローラの過去がこの作品のみどころ。
ローラの過去に起きたことをふまえてもう一度読み返すことで、あらたな感動にふたたび胸を打たれます。
絵本のカバー袖のあらすじ部分にネタバレがあるので、前知識なしに読みたい方はちょっと注意。
とはいえ、ラストを知ってもなお、この絵本の魅力が色あせることはありません。
だって私など何度読んでも、ラストで泣かされていますから。
(堀井拓馬 小説家)
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