「ママ、起きて。なんかおそろしいものがやってくるんだって!
『クリスマス』っていう名前らしいよ」
ムーミントロールがママを慌てて起こしにいきます。
そう、ムーミン一家は毎年冬の間はぐっすりと冬眠をするので、「クリスマス」なんて言葉は知らないのです。
それなのに、今年はおせっかいなヘムレンさんがムーミン屋敷に来て、
「クリスマスがくるのに、ねむってるなんて!」
と言って、一家を起こして行ってしまったのです。
「まずは、落ち着いて、よく調べてみようじゃないか」
一家は、まず家の外に出てみて驚きます。
ムーミンパパは、ムーミン谷に覆われている雪だって初めて見るのです。
クリスマスの準備に追われて、時々通りすがるほかの人たちに聞いているうちに、一家は思うのです。
「どうやら、クリスマス、というのは、とてもこわい人みたいだ」
もみの木やら、ごちそうやら、プレゼントやらを準備しして、さてどう過ごしたらいいのでしょう……。
ムーミンのクリスマスのお話といえば、トーベ・ヤンソンの短編集『ムーミン谷の仲間たち』所収の「もみの木」ですよね。今回、ムーミンの版権を管理するムーミン・キャラクターズ社の公認画家の手で、そのお話が一冊の絵本になったのです。小さな子どもも楽しめる「クラシック・ムーミン絵本」シリーズの記念すべき第一巻が、この『ムーミン谷のクリスマス』です。
お話の面白さや、ムーミン一家、仲間たちのユニークなキャラクターはそのままに、あのちょっと変わったクリスマスツリーを美しい大きな画面でしっかりと堪能できます。ムーミンを愛する方へのクリスマスプレゼントに、そして親子で楽しむクリスマス絵本として、おすすめの1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ムーミンの短編が、美しい絵本に!
トーベ・ヤンソンの短編集『ムーミン谷の仲間たち』所収の
「もみのき」が、1冊の絵本になりました。
ムーミン一家がぐっすり冬眠していると、
いきなりヘムルに起こされました。
「クリスマスがくるのに、ねむってるなんて!」
ムーミン一家は「クリスマス」なんてことばは、
はじめて聞きました。
でも、ほかの人たちは「クリスマス」をむかえる
準備であたふたしています。
もみの木やら、ごちそうやら、プレゼントやら…。 どうやら、クリスマス、というのは、
とてもこわい人のようです…。
ムーミンのあの短編が、
手に取りやすい絵本になりました。
クリスマスプレゼントにもどうぞ!
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