クリスマスの贈り物におすすめの絵童話「ぞうくんのちいさなどくしょ」シリーズ3作目はクリスマスプレゼントにちなんだかわいらしいお話です。
今夜はクリスマス・イブ。ぞうくんは家族のみんなに「ねえ、ひみつのねがいごとってある?」と聞いて回ります。はじめはママ。ママの“ひみつのねがいごと”は…?
「わたしね、まえから ずっと バレリーナになれたらなって おもってたの」。
「わたし いちどで いいから、いちばへ かいものに いくとき、きれいな ばしゃに のって でかけてみたいわ」
それを聞いたぞうくんはこう言うのです。
「ねえ、それも すてきだけどさ、ほかにもない?たとえば あるひ、しらない だれかから、みどりのふちどりの あかいなべつかみがもらえたらなあって おもったこと ない?」
その後も、つぎつぎに、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんに“ひみつのねがいごと”を聞いていくぞうくん。ぞうくんの家族が話すそれぞれのねがいごとは大人ながらにとっても夢があって感心してしまいます。さらにぞうくんとのやりとりにはぞうくんへの愛情がたっぷり感じられて。
1960年代にアメリカで出版されたというこちらのお話、作者は『そんなときなんていう?』(岩波書店)が代表作のセシル・ジョスリンさん。絵を書いているのは、『ちいさな島』(童話館出版)でコルデコット賞を受賞されたレナード・ワイズガードさん。無邪気でかわいらしいぞうくんと家族との温かなやりとりや、白黒にきれいな赤色が目をひくさし絵は、とってもおしゃれで現在でも全く変わらない魅力をはなっています。同シリーズの1作目は、白黒にピンクのさし色、2作目は、白黒に青色がさし色になっていて、並べてみるとさらに美しい色合い。親子で一緒に読んでほしい、クリスマス時期におすすめの1冊です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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