くまのこの兄弟がクリスマスを待つお話と、アドベントカレンダーが一緒になった絵本です。
カレンダーは[1]から[25]まで順番に窓を開けていくタイプ。
雑貨などでも幅広く活躍するももろさんの可愛い絵がいっぱいの一冊です。
あたりはすっかり冬景色。クリスマスが近づく真っ白な野原。
赤い三角屋根のおうちの煙突からけむりがあがっています。
薪を運ぶお兄ちゃんのテテ、雪だるまをつくる弟のトト。
2人はサンタさんが来てくれるのが楽しみでたまりません。
テテとトトはクリスマスをむかえる準備をはじめました。
サンタさんへのお手紙、クリスマスカード、クリスマスのための買い物。
毛糸の靴下、煙突掃除、ツリーの準備にお料理も!
ついにクリスマスイブの夜、2人がベッドでドキドキして眠れないでいると……
「はっくしょーーん」と大きなくしゃみの音がします! 誰!?
本書の魅力は、クリスマスの本場らしい北国の暮らしが描かれているところ。
薪ストーブのそばでくまのこがサンタさんに手紙を書くのですが、ストーブの上には湯気がたつポットや鉄アイロン、脇には積み上げられた薪と火ばさみ。
インテリアは素敵だし、お料理はいかにも本場らしいクリスマスのごちそうが並びます。
そしてもう一つの魅力は、弟がお兄ちゃんに教えてもらいながらわくわく準備をして、プレゼントを待ちわびるのだけど、いざその時になると、2人とも自分のプレゼントよりもサンタさんへのやさしい気持ちを見せてくれるところです。
最後にでてくるくまのこたちへのプレゼントは、大きくてびっくり。
うらやましくなっちゃいます!
真っ赤なハードカバーで、全体の作りがとてもしっかりしています。
「クリスマスまであと何日?」と数えながら、12月1日から25日まで順番にめくっていくアドベントカレンダーは、窓の大きさもいろいろ。
めくってみると、中には絵だけでなくちょっとした言葉も入っています。
クリスマスを一緒に楽しみたいあの人へのプレゼントにぜひどうぞ。
部屋に一冊飾っておいて、クリスマスまで毎晩読みたくなる、素敵な絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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