アイスを買って、福引きの抽選券をもらった僕。
友だちはハズレばかりだったのに、僕にはなんと旅行券が当たった!
でも「ひえひえひんやりツアー」と書かれた旅行券には、日時も行き先も、何も書いていない。
ところがその夜、「ひえひえひんやりツアー」の旗をもった変なやつが、家に迎えにやってきて……!?
「今からいくの?」と僕はびっくりだし、「だってパジャマだよ」と服を気にするお父ちゃんも、「おべんとう、なくてもだいじょうぶ?」と心配するお母ちゃんも戸惑い顔。
その変なやつ……ドクロはにこにこして「しんぱいいりやせん」と旗をふりながら歩き出します。
え、そんなところから入るの……!?
(ひえひえの入口は、絵本を読んでのお楽しみ!)
ドクロの案内でやってきた、ひえひえランド。
オーロラ色のフローズンを飲んで、冷たい食べものを食べて……。
ひえひえって最高。
だけど僕たち家族、このままでいいのかな。
だんだんひえひえランドの暮らしになじんできちゃったぞ……。
あつーい夏に読んだら、ひんやーりした気分になれること間違いなし。
雪山からの川で流しそうめん、タイ焼きアイスに、ひやしるこ。
美味しそうなものがまだまだいっぱい出てきます。
でも、ちょっと待って。
暑いからこそ、ひえひえの素敵さがわかるのかもしれませんよね……?
楠章子さんの穏やかな文に、あおきひろえさんの親しみあふれる絵。
ほのぼのしていたら、いつのまにか、ひえひえランドから抜け出せなくなったりして。
そんなこわさもちょっぴり楽しめる、夏らしい、おはなし絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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