1979年初版の五味太郎作品、デザインを一新し復刊!
さまざまなタイプの本をつくっている五味太郎さんですが、中でも、絵になぞときを仕掛けた作品は傑作ぞろい。
本書はいかにもそんな五味さんらしい作品です。
「いいかい!? このほんを いま よんでいる きみ! これは ぼくのにくだぞ。」
いきなり呼びかけられて、絵本をのぞきこむ子どもたちは、「ん? だれのこと?」と一瞬戸惑い顔。
荒野にまっかなおひさまが沈む頃、岩かげに肉をかくそうとしているのは……コンドル?
そう、ぎょろっとした目に、頭には毛が二本。
ちょっぴりこわそうで、ちょっぴりまぬけそうなコンドルくんです。
絵本の中のコンドルくんは、明日またお肉を食べるから、残りを大事にかくしておくんだそうです。
「ここに かくして おいたことを、よく おぼえておいて くれたまえ。」
「よく みはってて おくれよ。それじゃあ たのんだよ、きみ!」
コンドルははばたいてねぐらにむかって飛んでいき……あやしいきつねがあらわれます。
さて、ストーリーは、コンドルくんがひたすら自分がかくしたはずのお肉をさがしまわるお話。
犯人はあやしいきつね? それとも……?
「はんには おまえだ!」
コンドルくんに決めつけられて、荒野の生き物たちは「ちがうってば」「ばかいうなよ」「しらんね」と迷惑顔。
いったい誰が「はんにん」なのか、最初から見ていた「きみ」! おしえておくれよ、というのですが……?
さあ、みなさんは絵本を見てすぐわかるでしょうか?
けっこうむずかしいんですよ、この答え。
一生懸命「はんにん探し」をはじめたら、もうあなたもわたしも五味太郎ワールドの虜です。
だまされずに答えを当てられるか、挑戦してみてくださいね!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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