お医者さんの診察室の前に、緊張したかおの動物たちがずらーっと並んで順番を待っています。
くまのごんたくん、わにのがぶりくん、きつねのこんきちくん、たぬきのぽんたくん、いぬのわんすけくん、ぶたのはなこちゃん、かえるのぴょんたくん、かめののろきちくん、そして・・・うさぎのみみちゃん。
くまのおじいさん先生はとってもやさしそうなのに、なぜみんな心配そうなのかというと、かぜの「よぼうちゅうしゃ」をしにきているからなのです。
「いちばんのかた、どうぞ!」
診察室から出てきた一番手、らんぼう者のごんたくんの目の涙を見たみんなはふるえあがります。
「つぎのかた、どうぞ!」と呼ばれて次々診察室に入るけど、みんなこわくてちゅうしゃをすることができません。
とうとう、みみちゃんのばんがきて・・・。
「つぎはわたしのばん・・・」「つぎはわたしのばん・・・」
そう思って待っているときってドキドキしますよね。そう、しんぞうがはれつしそうなくらい!
子どもたちは、みみちゃんの気持ちになって、ドキドキ。
横で見守る大人は、ほほえましさとかわいらしさでドキドキ。
いもとようこさんの本は、まさに「親子のための絵本」なんです!
動物たちのふわふわあったかそうな毛並みと、ほんわかした読後感。
秋冬の親子にちょうどいい一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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