ようこそ!くうこうへ!
もうすぐ、「くものすくうこう」から、飛行機が出発します。
カエルの親子に、テントウムシファミリー、オトシブミのご一行・・・、
たくさんの小さなお客たちが出発前の時間を過ごしています。
ショッピングや出国手続きなど、やることはたくさん。空港は活気にあふれています。
搭乗口でスタンバイするのは、飛行機の機体をリュックのように背負ったつばめたち。
そう、みんながこれから搭乗するのは、つばめ航空便、つばめの飛行機なんです。
「ただいまより ごとうじょうを かいし いたします。
みなみのしまゆきの チケットを おもちの おきゃくさまは
いちばんゲートより おのりください」
搭乗を済ませてシートベルトを締めたら、いよいよ出発の時刻です。
飛行機は、プールの飛び込み台の滑走路からテイクオフ!
つばめ航空SAL(Swallow Air Line)、ハト航空PALなどなど、鳥の航空会社の飛行機が空を飛び交い、
小さな生き物たちが鳥飛行機で旅をする、見たことのない世界。
空港から、目的地の南の島の空港に着くまで、飛行機の時間がじっくり描かれ、
一緒に旅を楽しんでいるようなワクワク感を味わえます。
飛行機の窓から見下ろす夜景や、広がる海、機内で迎える朝日の美しいこと!
そして細かく描きこまれた遊び心いっぱいの画面は、どのページも隅々まで見どころが詰まっています。
これが絵本デビュー作となる、もとやすけいじさんは、絵本を制作しながら実際に飛行場で荷物運びの仕事をされていたのだそう。
なるほど、この夢のような世界にふしぎなリアリティが存在するのは、そんなところにもヒミツがあったのですね。
飛行機好き、昆虫好きの子どもたちはもちろん、旅が好きな人ならみんな胸躍ること間違いなしの一冊。
どなた様も、ゆっくりと空の旅をお楽しみください。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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