紅葉や月夜が美しい、季節は秋。
春夏秋冬で4冊刊行の「かわいいとのさま」シリーズ第3弾は、秋の小さなお話3つが収められています。
馬にのるけいこがイヤで、鞍の上に駕籠(かご)をのせたら、走り出した馬の背から駕籠ごと落ちてズデデデドーン。べそをかきつつお城まで帰る「おうまのけいこ」。
めずらしく本を読んでいるなと思ったら、どうぶつえんをつくれ、と言い出す「へんなどうぶつえん」。
さむい日に、あったかそうなわらを見つけ、石段からわらの上にとびおりて遊ぶとのさま。次はふとんでやるぞと、城の下にふとんを積み上げ・・・本当にとびおりられるのかな?の「おふとんほかほか」。
1つのお話につき、堀内誠一さんのカラフルでダイナミックな絵が4枚(見開き)楽しめます。
「かわいいとのさま」シリーズのお話を書くのは、演劇やドラマの脚本にはじまり、児童文学作家としても長年活躍されていた筒井敬介さん。独特の調子で、やんちゃでこわがり、ちょっぴり情けないとのさまを描写し盛り上げます。
1970年代、お二人のコンビで月刊誌に連載された童話が、時をこえて単行本としてよみがえりました。
とくにグラフィックデザインと絵本で素晴らしい足跡を残した堀内誠一さん。そのパワフルな絵は全く色褪せません。ファンは必見ですよ。
春のお話『おだんご だんご』、夏のお話『おしろがあぶない』がすでに刊行されています。
これから刊行される第4弾、冬のお話もお楽しみに!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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