お友達のまるみさんの家へ遊びにいく、みちこさん。
初めて訪れる場所だけど、まるみさんに〈みちこさんでも まよわない わかりやすい ちず〉を描いてもらったので自信を持って道を歩きます。
まるみさんの家までの目印は、〈あかいとり〉
〈おみせが たくさん ある にぎやかな とおり〉、そして〈ポスト〉。
目印を探しながら進んでいくけれど、みちこさんはどんどん道に迷っていきます。
それは、地図に書いてある〈あかい とり〉じゃないよ? みちこさん。
〈ほんやの ある ほうじゃないよ〉って書いてある本屋があるよ、みちこさん。
ジャングルみたいな〈こうえん〉に出ちゃったよ、みちこさん…。
ようやく〈おみせが たくさんある にぎやかな とおり〉に着いたけれど、
お店にはおかしなものが沢山並んでいるし、通りにいる人たちは何だか少しふしぎな感じ。
急にドキドキして、ふしぎな通りを泣きながら歩きまわるみちこさん…。
みちこさん、無事にまるみさんのお家にたどり着けるのでしょうか…。
初めての土地を歩く、ドキドキした高揚感、
新しいものを発見した時のワクワクした驚き、
道を間違えたことに気づいて、急に募る孤独感、不安感。
目的の場所に着いたときの安堵感。
絵本を通して、みちこさんの感情のひとつひとつを体感できる作品です。
作者のもとしたいずみさんは重度の方向音痴なのだそう!?
でも、道に迷うのは平気で、けっこう好きなんですって。
みちこさんに起こったことは、もとしたさんの実体験かもしれませんね。
みちこさんがどこから不思議な世界に入り込んでいったのか、
絵をよ〜く見ると分かるのも絵本の面白さ。
不思議の世界の生き物たちを、お子さんと一緒にいろいろ見つけてみてください。
(木村春子 絵本ナビライター)
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