雪が降るクリスマスイブの夜。
少女クララは、ドロッセルマイヤー伯父さんからもらった大切な「くるみ割り人形」をネズミたちにさらわれてしまいます。くるみ割り人形を取り戻すために、大時計の中に足を踏み入れたクララ。気づけば色鮮やかな人形の国へと迷い込んでいたのです。
そこは、クララがいつも遊んでいたはずの楽しい人形の世界。
ところが実際の人形の国では、近くの洞窟に住み着いたネズミ一族との戦いで国の誰もが疲れきっていました。そして、クララとうりふたつの人形の国のお姫様マリーが、ふたつ頭の白ネズミの女王、マウゼリンクス夫人から呪いをかけれ、ネズミの姿のまま永遠の眠りについていたのです。
クララは、マリー姫を救うため命がけでネズミ一族と戦う将校のフランツ(実はクララの大好きな従兄弟のフリッツにそっくり!)と出会います。いろいろな人の助けを借りながら、二人は邪悪な呪いを解くためにマウゼリンクス夫人との戦いに挑むのです。
人形とネズミの最後の戦いの末、「くるみ割り人形」が持つ悲しい秘密を身をもって体験するクララ。
そこから初めて湧き上がる自分の感情を受け止め、クララがとった勇気ある行動とは・・・?
そして、くるみ割り人形の運命は?物語の結末はいかに?
恐ろしい砂男ジャンカリンが登場する物語の冒頭から、クララが人形の国へと旅立ち冒険を繰り広げるまでドラマチックな展開に目が離せない、サンリオ版「くるみ割り人形」。
実は、この物語は、1979年に公開された実写人形アニメーション映画を原型に最先端映像技術を駆使し
色彩豊かにリ・クリエイトされた2014年11月公開のミュージカル・ファンタジー映画「くるみ割り人形」を読み物にした本になります。
映画の原作は、E.T.A.ホフマンの「くるみ割り人形」の名作童話とP.I.チャイコフスキーのバレエ版「くるみ割り人形」を見事に融合し再構築したオリジナルの世界観が魅力的です。本の中に使われている映画の写真からもわかるように、個性豊かな人形たちの迫真の演技にはとても臨場感があり、ドキドキワクワク!
命を宿した人形たちが演じる感動の物語を、そしてノスタルジックだけれども見たことのないキラキラした夢の世界をサンリオ版「くるみ割り人形」の本の世界で是非味わってくださいね。
映画とはまた違う新たな魅力に出会えるはず。
一人の少女の繊細な心の動きと成長に素直に感動します。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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