「しろい いきものが、くらい なみのうえを ながされてくる。
やってきたのは、もりの どうぶつたちが はじめてみる いきものだった」
森に住むキツネ、リス、アナグマやカラスたちは、初めて見る白いものを怖がって近づきません。
丘の上の、古くて草だらけの洞穴に住みついたその白い動物は“リーフ”と呼ばれるようになります。
なぜなら毎日のっしのっしと歩き、葉っぱを集めて回るから。
大きな葉っぱに小さな葉っぱ、丸いのから、いろんな色の葉っぱ……。
体じゅうに葉っぱをくっつけた“リーフ”に、びくびくする動物たちは「どこかへ行ってほしい」と思いますが……。
1983年ドイツ生まれ、サンドラ・ディークマンのデビュー作。
野生動物を色鮮やかで細かい模様とともに描く作風で知られ、2011年にアニメーション作家であり絵本作家ショーン・タンが審査員を務めたチェルトナム・イラストレーション・アワードでEmerging talent(新たな才能)賞を受賞するなど注目されています。
実は、白い動物はホッキョクグマで、海から流れついたのは地球温暖化という問題が背景にあり……。
小学校の高学年のお子さんや大人には、よりリアルなメッセージが絵本から感じられるかもしれません。
訳者は牟禮あゆみさん、第27回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞受賞作です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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