こねずみニリィは森で本を見つけました。
「おはなしのほんだわ」ニリィはにっこり。
おうちにもどって読んでみようとしますが、家では弟たちが大暴れ。お母さんの料理もはじまって、静かに本を読むことができません。
「どこか しずかに ほんを よめる ばしょは ないかしら」
ニリィはまた森へ、静かな場所をさがしに出かけます。
でも・・・どこへいってもニリィをじゃまするものばかり。
本を読むのをあきらめかけたそのとき、ニリィはいいことを思いつきました!
・・・さて、ニリィはどうしたと思います?
すてきな結末は、ぜひ本書をお読みくださいね。
「ニリィの気持ち、わかるなあ」と、ほっとため息をつきたくなる人は、いるんじゃないでしょうか。
私自身も身に覚えがありますし、母になってからは、きょうだいの上の娘が絵やパズルをじっくり楽しみたいとき、下の子にじゃまされていらいらする様子をみて、困る時期もありました。
でもこの本のニリィの決断には、そうか、発想を変えるだけで「困ったこと」が「素敵なこと」に変わるんだなあ、とはっとさせられました。
ドイツの児童文学作家シュテファン・ゲンメルと、ベルギーのイラストレーター、マリー・ジョゼ・サクレ。
2人が贈る、読後感があたたかく、さわやかな絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む