すべりだいが大好きなたろうくん。ママと公園にきましたが、公園のすべりだいでは遊びたがりません。「もっと たかい すべりだいで すべりたいなあ」
するとかっぱが現れて、「じゃあ、せかいいちたかい すべりだいに つれていってやるダニ」と「ようかいのくに」へ連れて行ってくれることになりました。
奇妙なトンネルを抜けると、そこは妖怪の国。おおきなおおきなすべりだいがあって、たくさんの妖怪たちが見上げています。みんなあまりの高さに、怖くて登れないのです。たろうくんがすべりだいの階段を登っていくと、妖怪たちはびっくり!負けていられないと、おそるおそるたろうくんの後に続きます。そして、いよいよすべりだいのてっぺんへ。雲を見下ろすような高さに、たろうくんも足がすくみます。ぞろぞろと妖怪たちを引き連れて登りきった世界一高いすべりだい。いったいどんな滑り心地なんでしょう?そして滑っていった先はどうなっているんでしょう。
子どもたちが大好きなすべりだいですが、なんといってもこれは、妖怪の国のすべりだい。高さに加えて、見た目も怪しさ満点です。けれどすべりだいのスリルに怪しさへのドキドキが加わると、滑りおりるときの高揚感と楽しさも倍増するようです。
すべりだいに一緒に挑戦する妖怪たちは一見恐ろしげですが、恐がる顔や驚いた顔、楽しそうな顔は表情豊かでチャーミング!思わず笑ってしまいます。一緒に冒険したあとにいつのまにか友達になっちゃうような感覚が妖怪と味わえるなんて、最高に楽しいですね。
作者の加藤志異さんも、子どものころすべりだいが大好きだったそうです。読み終わったら「こんなすべりだい、滑ってみたい?」と、子どもたちとの会話がはずみそうな一冊です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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