すきなことって、どうやって見つける?
ゲームはすき。遊ぶのはすき。
でも…「すきなこと」「もっとやりたいこと」はある?
真剣に具体的に聞かれると、困っちゃいますよね。
じゃあ、べんきょうは…?
「あまりすきじゃない…」「やれっていわれるから」という子が多いかも。
べんきょうと、すきなことは別、というイメージを持つ子が大半かもしれません。
本書は、絵本作家のたかいよしかずさんが、「べんきょうは、すきなことを見つけるチャンスだよ」「考え方を変えれば、べんきょうも、きっとおもしろくなるよ!」というメッセージを込め、その実践的な思考を描いた絵本です。
「すきなこと」の先に「べんきょう」があって、さらにその先に「すきなこと」がある…。
ふつう、子どもたちはそんなふうに考えもしませんよね。
でも本書を読むと、なぜ「すきなこと」が「ちしき」や「こうきしん」につながり、さらに「そうぞう」「くふう」が「すきなこと」を育てていくのか、よくわかります。
例えば絵が好きなら、図鑑から「ちしき」を得れば、もっとうまく描けるようになるかもしれない。虫や動物の実物を見たかったらどうすればいい? そのためにお金や時間はどれくらいかかる?
行動のチャートのページを見ると、「すきなこと」から世界は無限にひろがっていくような気がします。
巻末のワークシートでは、「いま○○○○○がきになってる…」→「もっとしりたいな」(どうやって知る?)→「やってみよう!」(なにをする?)→「やってみたら、おもしろかった!」(なにがおもしろかった?)と、ゲームのように思考を育てることができます。
小学校高学年くらいの子どもたちに読んでほしい、同時に、年齢問わず多くの人に読んでほしい絵本です。
大人だって、「そういえば、自分のすきなことって何だったっけ? そのための努力を、何をしただろう? これから何をできるだろう?」と考えさせられるかもしれません。
絵本作家・デザイナーとして活躍しつつ、今なおたくさんの夢を持ちつづけて「すきなこと」にがんばる、たかいよしかずさん。そんな作者から子どもたちへのあたたかいエールが感じられる絵本です。
同じくたかいさんの作品『ともだちのつくりかた』とあわせて、ぜひ読んでみてください。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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