ぼくんちのとなりに、ひめちゃんがひっこしてきた。
せいはおなじくらいだけど、ぼくのほうがひとつおにいちゃんだ。
ひめちゃんはいつもひとりであそんでる。
「わたし、ひとりだってさみしくなんかないし、ぜんぜんへいきなの」
っていうけど・・・。
おいしそうなプリンとひきかえに、うっかり「けらい」になってしまったぼく。
いっしょに遊んでいるところをともだちに見られて、はずかしくなったぼくは、ひめちゃんに「ぶとうかい」に誘われた日、ひめちゃんちには行かないで、ともだちとサッカーをして楽しく遊びます。
帰りみち、気になって、そーっとひめちゃんちをのぞいてみると、ひめちゃんは・・・?
強がりな女の子と、やさしい男の子の、ほほえましいお話。
尾沼まりこさんの絵本テキスト大賞(童心社と日本児童文学者協会の共催のコンクール)受賞作に、「ざわざわ森のがんこちゃん」シリーズなど著作多数の武田美穂さんが、ほんわかしたぴったりの絵を描いています。
保育園に通う娘(4歳)の話を聞くと、小さな子ども同士も、毎日、ケンカしてはなぐさめあったり、おともだちの気持ちを想像したり、自分の気持ちをいっしょうけんめい言葉にして伝えたり・・・。きっと絵本と同じなのでしょう。
じーっと聞き入り、読み終わってにっこり。「おもしろかった!」
尾沼まりこさんご自身の、甥っ子さんとのやりとりの中から生まれたお話だそう。
3歳〜小学校低学年くらいの子どもに読んであげたいです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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