日本・中国・韓国の絵本作家が手をつなぎ、子どもたちにおくる平和絵本シリーズ。
それぞれの作家がご自身の戦争の体験と真摯に向き合い、自分の国が行ってきた事実と向き合う。
そこから生まれてくる作品は、それでも希望と平和への強い意志を感じることができるのです。
和歌山静子さんは幼い頃、何もわからず戦争を体験された。
その時、日本の兵隊たちはアジアの国ぐにで何をしたのか。本当の戦争の姿とはどんなだったのか。
その事実を知った今、和歌山さんが描き出したのは兵隊に履かれて海を渡っていった「靴」の運命。
ざっざっざっざっ ざっざっざっざっざっざっ
足音を揃え、靴たちが勇んで向かった場所は戦争。
海をわたり、隣の国の人たちをふみにじり、痛めつけ、また次の戦場へ。
やがて、靴はぼろぼろになり、履いていた兵隊たちも、命令した国もぼろぼろになり・・・。
絵本を開けば言葉も絵もシンプル、和歌山さんらしく力強い線がおどっています。
こわい場面が描かれているわけではありません。でも、一つ一つの言葉と表情が深く心につきささってきます。
子どもたちには本当の戦争を知ってほしい、そんな願いが込められているのです。
そして最後の場面。
「わたしはわたしの未来を生きていく。わたしの未来に戦争はいらない」
少女が見せる、はっきりとした自分の意思。
力強い言葉は、子どもの心、そして大人の心も奮い立たせてくれるようです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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日・中・韓平和絵本シリーズ。
兵隊たちに履かれて戦場に行った靴の運命を描きながら、戦争の本当のすがたと平和の大切さを伝える。
70年前、日本の兵隊たちはアジアの国ぐにで何をしたのか。
幼いころ、何もわからず戦争を体験した作家が、あらためて戦争とは何かを問いただす。
兵隊たちに履かれて海をわたり、戦場に行った靴たち。その運命をとおして、ほんとうの戦争のすがたを描き、平和を守ることの大切さをうったえる。
そして、少女はいま、はっきりと自分の意志を伝える。
「わたしはわたしの未来を生きていく。わたしの未来に戦争はいらない」と。
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