おいしいにおいがただようこの通りは「レストランどおり」。いつも大勢の人でにぎやかです。
そこへよたよたとやって来たのは、ニードル。
細いからだに、とがった鼻、そしてとてもお腹をすかせているのら犬です。
行列ができるほど評判のお店に、ふらっと入っていったニードル。
思わずテーブルの上に足をかけて料理に近づこうとすると・・・
「あっちへいけ!」
びっくりしたニードルは、大騒ぎのレストランから逃げ、そのまま街のはずれまでやってきたのですが、はらぺこで歩く元気もありません。
すると目の前に立っていたのはさびしいお店。名前は「ヌードルのめんのおみせ」です。
お店の中に入ってみると、そこにいたのはのっぽのコック、ヌードルさん。
なんだか雰囲気が似ているニードルとヌードルさん。このふたりの出会いこそ、これから起こる素敵な出来事の始まりなのです!
ヌードルさんは親切だし、その上ご馳走してくれた山盛りのめんはとっても美味しい!
でもお客さんが来ないのです。
そこで、ニードルはニードルなりに考えて・・・あることを思いつきます。
「ぴゃん! ぴゃん!」
予測もつかない展開に、一体どうなるんだろうと不安がよぎりますが、最後に見られるのはみんなのとびっきりの笑顔。やっぱり美味しいものは、みんなを幸せな気持ちにさせてくれますよね。
作者は絵本『たかこ』で鮮烈絵本デビューを飾った清水真裕さん。 奇想天外な話のようでいて、でもしっかりとニードルの気持ちの変化を描き出しています。そんな興味深い内容を絵にしているのは西村敏雄さん。ニードルの表情を楽しんでくださいね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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