少年かんたが、お父さんと旅に出た時の話です。町中の宿屋は、どこもいっぱいで、町はずれのさびしい宿屋へ行きましたが、泊まった人が消えてしまうという「へんな部屋」しか残っていませんでした。その夜、二人が寝込んだ頃、しきり板のふし穴から白いものが、出てきたのです。
福田庄助さんの画がお話に合っていて、味わいがありました。
江戸時代には使われなくなったり、捨てられたりした道具がおばけになるといった話が多く残っています。たぶん、この原話もそんな民話の一つだと思います。
場面で一番の見どころは。お父さんが餅にされて節穴に引っ込んでいってしまうシーンではないでしょうか。
このシーンの餅にくるまれたお父さん、かわいそうですが、面白いです。
それから火鉢で餅を焼いてみた時、ぷくっと膨れて中の人も大きくなったのを見た時の、宿屋の主人のガッツポーズ(?)も見逃さずに見てほしいです。
(この宿屋の主人、出てくるたびにいい表情してます)
宿屋の主人、一押しです。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子19歳)
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