孫悟空も食べた不老長寿、仙人のくだもの。鉢植えで甘いモモをつくるコツ、どんどん伸びる枝のせん定をマスターして翌年収穫だ!
2010年刊行。モモの種類や栽培方法を中心に、歴史や文化的なエピソード、利用法、病害虫などを紹介する学習絵本・実用書。
夏になると店先に並ぶモモ。高級果物で、触ったらいけないという緊張感ある雰囲気で、見切り品になるまでは「観賞用」だったモモが、一気に身近になった。
確かに売り物の実はとてもデリケートだけど、モモの木は至って元気で、どんどん大きく育ち、放っておくと巨大化するという。豆に手入れ(枝を切ったり)をして、花も実も余分なものはどんどん取り除き、最終的には一枝に1つか2つだけ残して、大事に育てるという。
圧倒的な「選ばれしモモ」が、強運で病害虫にも負けず、店先に並ぶのだ。農家の人の大変なご尽力と、モモ自身の運や生命力の強さなどが、ぎっしりと実に詰まっている。
魔除けとされた理由がわかったような気がした。
桃太郎の「先のとがったモモ」や、孫悟空の蟠桃(ひらべったいモモ)など、珍しいものも見られて大満足。
今年はしっかりと、心してモモをおいしくいただこうと思った。
情報量の多い実用書だが、実際に栽培しない人も読み物として楽しめる上、大変勉強になるシリーズ。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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