クリスマスの日、ミアにとって、クリスマスケーキやジングルベルと同じくらい大事にしていること。それは…「おじいちゃんの手紙の時間」。ミアが子どもの頃、クリスマスプレゼントとしておじいちゃんからもらった手紙を、プレゼントを全部あけおわったら読むのです。子どもたちも、時々声を合わせて読みます。
ミアのために、地球に生きるすべての子どもたちのために、願うこと。
それは……
戦争で荒れ果てることがない新しい世界。
きれいな空気を胸いっぱいすって、
思い切り水を飲むことができる、そんな世界。
ひもじい人などどこにもいない、そんな新しい時代。
宇宙をめぐる、かけがえのない地球。
おじいちゃんとミアが大好きなもの全部を、大切にして欲しい…・。
そこに書いてあるのは、ミアの幸せを願うおじいちゃんからの宝物の言葉。
今でも毎年、家族全員で読んでいます。
そして、読み終わると言うのです。
「メリークリスマス、おじいちゃん、
メリークリスマス、みんな」
イギリスの児童文学の巨匠マイケル・モーパーゴが全世界の子どもたちに贈るメッセージを、同じくイギリスの人気イラストレータージム・フィールドの絵によって完成した、美しく壮大なクリスマスの絵本。クリスマスの日をどんな風に過ごすのか。それぞれの家族で大切にしているものが違うのって、とっても素敵なんだということが伝わってきますよね。
あなたにとってのサンタクロースは、誰なのでしょう。家族とそんな話をしたくなってくる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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