ある日、テオは「ありがとう」と「すみません」を言うのをやめることにした。何かたのむたびに、お礼を言うのに、うんざりしたからだ。
でも、これはそう簡単なことじゃない。
なにしろ十年間も車いすで生活している上に、障がい者施設で暮らしているのだから……。
それでも「ありがとう」を言いたくないテオは試行錯誤して、ひとりでできることを増やしていく。
順調に数を減らしていったテオだが、どうしても「ありがとう」を言わなければいけない場面が出てくることに気づく。
そこで、手伝いをしたりして「ありがとう」をもらい、「ありがとう」貯金をして、ノートに書き留めていくことに……。
できないことができるようになっていく楽しさや、諦めきれない気持ちが描かれています。誰しもに共通する葛藤や感動がある物語。
フランスにて2009年中学生が選ぶマルグリット・オードゥー賞、2013年最優秀障がい者書籍賞(児童書部門)を受賞した「Non Merci!」の翻訳版。
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