大昔、大きな嵐に襲われたその町を救ったのは、ひとりの少女と風神さまだった。
少女は風の精霊「風子」となり、風神さまといっしょに、町を見守っている。
そんな風神伝説が残る町、「風鈴町」。
(一行アケ)
主人公の一吹は、友だちに誘われて風神さまの祠をのぞきにいったのですが、そこで「風子」さんの封印を解いてしまいます。
風神さまのご神体にイタズラをした一吹たちに怒り、彼らに罰を与える風子さんですが──
なんだか、神話のイメージと違う!?
風子さんに取り憑かれてしまった少女や、化けキツネが作った奇妙な効能を持つ霊薬など、風子さんと風鈴町を中心に巻き起こる四つのファンタジー!
神話では、自分を犠牲にして家族と町を救った英雄として語られていた風子さん。でも、実際に会ってみると、ちょっとバチを当てるつもりがやりすぎてしまったり、イタズラをしては風神さまに叱られたり、天真爛漫で、少しばかりおてんばがすぎる少女! そんなギャップがみどころです。
勉強についていけず、そのことを両親に打ち明けられずに苦しむ少年。
ひょんなことから亀裂の入ってしまった親友と、仲直りできずにいる少女。
この物語には、様々な理由で、家族や友人との関係に悩む子どもたちが登場します。
風子さんはその不思議な力で彼らのことを助けようとするのですが、そのおてんばが原因で、すんなり解決とはいかないこともしばしば……。
風鈴町には、化けキツネの兄弟や、雷の精霊、それに、かつて風鈴町を襲った悪い風神など、まだ語られていない不思議の予感が満ちています! 風子さんと少年少女たちの物語は、ここからどんなふうに広がっていくのでしょう?
自分を取り巻く悩みや困難とたたかう子どもたちの姿に勇気がもらえる、力強い一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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風鈴小学校に通う小学生たちが、風の妖精・風子さんと出会うことで悩みを解決し気づきを得ていく――勉強・家族・友達……身近な悩みをテーマにした4つのファンタジー短編連作集!
1、風神さまと風子さん
5年生の一吹は、友達に誘われ、学校の裏山にある風神さまの祠に行くことに。しかし、風神さまの祠に納められた大切な石を誤って蹴ってしまい……。
2、風子さんと友達!
5年生のきいちゃんは、離婚する両親、友達のことで悩んでいた。元気のないきいちゃんを心配した風子さんは、両親や友達の本心を探り……。
3、風子さんとキツネのチャオ
野球部の星七が練習から帰ってくると、お母さんと妹の姿が消えていた。キツネに騙されてしまった二人を、風子さんの力を借りて……。
4、風子さんといかずちの子
ショータは大好きな妹のために段ボールで飛行機を作り、風子さんの力で飛ばしてもらい楽しんでいた。そこへ突然、雷の子が現れ飛行機を壊してしまい……。
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