かたづけが苦手な男の子、ぱなしくん。なんでもそのまま、しっぱなし。
「かたづけなくても まあ いいか」
のほほん、のほほん、わかっちゃいるけど、かたづけない。
食べっぱなしの出しっぱなし。使いっぱなしの脱ぎっぱなし。髪ものばしっぱなしでぼさぼさだし、愛犬のモジャだって、お手入れしてないからもじゃもじゃ!
「こんなに ちらかしていると、ごっちゃおばけが やってくるわよ」
見かねたおかあさんがそんなふうにおどかしてみても……
「うそー、そんなの いないよ」
ぜんぜんへっちゃら効果なし! やっぱり今日も、ちらかしっぱなし。
ところがその夜やってきたのは、ごっちゃおばけどころじゃなかった!?
著者は『パンどろぼう』『おいしそうなしろくま』など、ユニークでキュートな世界観がクセになる柴田ケイコさん。ぼさぼさ髪に、眠そうな目のぱなしくん。お洋服も同じものを着っぱなしで、まちがっても清潔ではなさそう。それでもぜんぜん憎めないのは、やっぱり自分と似ている部分があるからでしょうか……?
それでも、ぱなしくんの「○○っぱなし」は、やっぱりやりすぎ! ぱなしくんのことを見かねたのはおかあさんだけではなかったようで、その夜、ぱなしくんのところには、汚いオバケたちがぞろぞろと押し寄せたのです。
ベタベタ大好き、ベタベタようかい! クサいの大好き、むわむわようかい! 汚いものが大好きな彼らは、ぱなしくんのお気に入りの机も服も、みんな食べてしまいます。そしてついには「ウワサのあいつ」まであらわれて?
6歳の娘に読みきかせてみると、はじめはぱなしくんが自分とおそろいだと笑っていたのに、途中からオバケが出てきておとなしい顔つきに……。おとなも、子どもも、どこかしら身に覚えのある、ぱなしくん。やっぱりオバケはいやだから、今日はみんなでおかたづけ……。
(堀井拓馬 小説家)
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「ぱなしくん」は、かたづけが苦手な男の子。なんでもそのままにしちゃうからぱなしくんって呼ばれています。ぱなしくんは、わかっちゃいるけどかたづけない。愛犬「モジャ」もお手入れしていないからもじゃもじゃ。
ぱなしくんの毎日は、朝、なかなかおきずにねっぱなし。朝ごはん、食べたうつわはおきっぱなし。毎日同じ服、きっぱなし。ぱなしくんのお母さんには、「こんなにちらかしていると、ごっちゃおばけがやってくるわよ」と、言われてしまいます。
その日の夜、どこからか、ふしぎな音が聞こえてきました。すると、「ベタベタようかい」がやってきて、ぱなしくんのベタベタした机を食べて、ドロンと消えてしまいました。しばらくすると、今度はくさいにおいの「むわむわようかい」がやってきて、ぱなしくんのくさい服をパクリと食べてしまいました。
「しろくま」シリーズなどで人気の柴田ケイコさんが描く、ユーモアいっぱいのかたづけ絵本。
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