ページをめくると、たまごがかえる!
ケイト・グリナーウェイ賞受賞作家、エミリー・グラヴェットが贈る絵本。
たまごがかえるしかけと、鳥たちのユーモラスな雰囲気がすてきな絵本です。
フラミンゴもにわとりもフクロウも、鳥たちはみんなたまごをあたためています。
カモくんにだけは、たまごがありません。
カモくんは、とっても大きな、黄緑の水玉模様のきれいなたまごを見つけました。
世界でいちばんのたまご!
でもみんなは「かわいくない」「へんてこたまご!」「は、は!」
笑ったり冷やかしたり、わるくちばっかり。
やがて、みんなのたまごにはヒビが入り、次々にかわいいヒナたちが生まれます。
さあ、カモくんのたまごは、かえるのかな……!?
ページをめくると、1つのたまごから1羽のヒナがかえります。
次のページをめくると、次のたまごからヒナが……。
小さいたまごから大きなたまごへ。だんだんヒナも大きくなります。
最後にのこった、カモくんのたまご。
たまごがかえるのを待って、たまごに背をもたせかけながら、編み物をするカモくんの姿がかわいいのです。
(見返しで、編んだ完成品が見られます!)
他の鳥たちも、カモくんのたまごがかえるのを待っています。
ひとかたまりになって眠る鳥たちのなかには、親子ぎゅっと抱き合っている鳥も、寝ずにいたずらしている子も、鏡ばかり見ているうぬぼれやもいます。
表情ゆたかな鳥たちを、いつまでも見ていたくなる絵本。
カモくんのたまごの中は何だったのか、ヒビが入って割れる瞬間をどうぞお楽しみに!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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